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2015年11月 2日 (月)

劇評~いろいろ @「No.9-不滅の旋律」

キャストのファンの皆様の評価も勿論嬉しいですが、
あの楽聖ベートーヴェンのお話ですから、
特に、クラシック好きな方の高評価は本当に嬉しいですね



クラシックファンのマニア目線~きれいなベトベン

naxos japan

Naxos japan
【「運命と呼ばないで」担当、稲垣吾郎さんが
 
ベートーヴェンを演じる「No.9-不滅の旋律」を観てきた!】

赤坂actシアターで
稲垣吾郎氏がベートーヴェンを演じる舞台
No.9-不滅の旋律」を観てまいりました。
たぶんクラシックファンの方でご覧になった方は少ないのでは、と思われるので、あえてマニア目線からの感想を少々~(・∀・)

この舞台。タイトル通り、「第九ができるまで」の物語ではありますが、少年期から大人に至るまで、ベートーヴェンの人生全体が描かれています。
マニア目線からみて面白いのは、ベートーヴェンの人生を描いたこれまでの映画や舞台では、しばしば「カット」されてきた部分を丹念に描いているところです。
特にユニークなのは、ピアノ製作者、発明家、警官など、当時のウィーンにいた「音楽家以外の人々」をキャラに据えることで、ナポレオン時代からメッテルニヒ時代に至る大きな変化を描いたところ。
ほんと、秘密警察とガチ乱闘するベートーヴェンが観られるのは「No.9-不滅の旋律」だけです!w
「ウェリントンの勝利」なんて、ベートーヴェンファンすら半ば黒歴史扱いしている曲なわけですが、それをちゃんと登場させ、ウィーン会議の頃のとてもアンビバレントな状態であったベートーヴェンの政治心理(?)を浮き彫りにさせています。

舞台の中で大きな役目を果たす、シュトライヒャーというピアノ工房は、当時のウィーン・ピアノを牽引していた実在のメーカー。今日でも楽器が残されており、その音色を聴くことができます。

ベートーヴェンのメンタル面の描写に関しても、すごく今日的。父子関係の歪みから生まれる、女性や甥っ子への執着。ベートーヴェンの作品の素晴らしさと人格的な部分のギャップを、どのように考えていくか、というのは、ベートーヴェンファンにとっては結構悩ましい問題だったりするのですが、この舞台では、問題を隠すことなく、かといって、人格といっしょくたに音楽を貶めるというようなこともなく、あくまで誠実に向き合って描いていて、好感を持ちました。

特に、第九のあとに起きてしまう「あの悲劇」って、かつての映画や舞台ではカットしたり、時系列を逆にしたり、とにかく逃げ腰描写であったわけですが、この舞台では、正面切って描いた上に、見事な落とし方を見せてくれます。

それにしても、稲垣さん演じるベートーヴェンの、宝塚さながらの麗しさ!(きれいなベトベン…)どんな変人でも……ここここれは……許しちゃう!!!(何を許すというのか)


ベートーヴェンの傑作と役者らの熱演が融合した類い稀なエンターテインメント

ヴィンテージクラシックス⑤


TBSヴィンテージクラシックス
TBSとベートーヴェン⑤】
ベートーヴェンの傑作と役者らの熱演が融合した、類い稀なエンターテインメント
「No.9-不滅の旋律-」を観て、聴いて
TBSテレビ 日向 央

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2019時開演、赤坂ACTシアターで、稲垣吾郎がベートーヴェンを演じる評判の舞台、「No.9-不滅の旋律-」を観劇する。

いや、驚きました。演劇公演は、これまで数知れず観てきたが、これほど刺激に満ちた、たのしいものは、これまで他になかったと言えるほど、この舞台に惹き付けられた。
まず、脚本(ホン)が、面白い。実際のベートーヴェンの生涯とは相当異なるであろう、と思えるほど、デフォルメして描いていると思われるが、手に汗握り、物語の展開にハマってしまう。彼は気難しく、激しやすく、他人を不当なまでに攻撃する。社会的な存在としてみた場合、明らかに不適応者であり、回りから諌められる。また、彼が恋する女性らからは、その音楽の才能を高く評価されながらも、結局は振られてしまう。

高岡早紀が演ずる伯爵令嬢ジョゼフィーネ。ベートーヴェンを愛しているというのに、父親が決めた結婚相手は、平民のベートーヴェンではなく、貴族の身分をもつ者であった。ジョゼフィーネは、「父親には逆らえない」とベートーヴェンに別れを告げる。狼狽し、怒るベートーヴェン。ここでの高岡と稲垣の演技は、序盤での白熱の見せ場だ。

しかし、名優2人の演技だけでは、それほどまでの感動は呼ばない。この場面で流されるのが、ピアノソナタ第26番「告別」の第1楽章の序奏部。作曲はもちろんベートーヴェンだ。
この演奏は、舞台に置かれたピアノを用い、生演奏される。曲名のクレジットはされないが、ベートーヴェン好きが聴けば、直ちに「告別」と分かる。見え透いた選曲じゃないか、と初めは思った。しかし、このピアノ演奏が素晴らしいのだ。「告別」という曲の、まさしく音楽でしかあり得ない、その音楽の魅力。この音楽を聴くことで、そちらに全身が反応し、2人のせりふを、うっかり聞き漏らしそうになる。やがて冷静になり、音楽も、名優らの演技も両方とも把握できるようになる。そこで、2人の熱演が、さらに輝きを増して心に迫ってくる。音楽が鳴っていないと仮定したときの演技と比べ、数倍もの名演に感ずるのだ。そして、音楽である「告別」のほうも、単にコンサートで聴くのと異なり、独特の色合いが加えられたかのようだ。この相乗効果は、すごいものがあった。
このピアノは、舞台に3台置かれ、ピアニストも3人、一人が一台を受け持つ。下手の袖に2台が並び、上手の袖に1台が配される。選曲されるもののほとんどは、全32曲もある、ベートーヴェンのビアノソナタ。この中のさまざまな作品が、劇のそれぞれの場面ごとに、時には1台で弾かれ、または2台、さらに3台全部で弾かれることもある。
その楽曲と演奏が、劇に与える効果は、測り知れないものがある。第8番「悲愴」、第14番「月光」、第17番「テンペスト」、第21番「ワルトシュタイン」、第23番「熱情」はすべて選曲された。ソナチネとも呼ばれる小さなソナタ、第20番も間違いなく聴き取った。

しかし、何よりも感動したのは、第30番のピアノソナタ、ホ長調が演奏されたときであった。この曲は、ソナタ形式の定番である、急緩急の構成を大きく逸脱し、急急緩、そして、その演奏時間は、第1楽章が4分、第2楽章が230秒に対し、第3楽章が14分と、型破りの作品なのであるが、クライマックスは最終第3楽章である。主題と6つの変奏、最後に主題が回帰するというものであるが、この冒頭の主題が、得も言われぬ美しさなのである。その主題を、1台または2台のピアノが演奏する。

これが鳴らされた場面は、後半、ベートーヴェンが文豪ゲーテと会う場面に、ベートーヴェンが、彼のピアノを制作するピアノ職人の女性であり、人妻でもあるナネッテ(演ずるのは、マイコ)が同行するのが回想されるシーンである。ベートーヴェンは、このシーンで、ナネッテに愛の告白をするのだが、ここでナネッテは、ベートーヴェンに「仕事のつながりで同志のような友情を抱いていたのに、あなたも他の多くの男と同じだったのね」と、ベートーヴェンを袖にする。劇の全体の中でも、クライマックスの一つだが、ここで、あの天上の音楽が、長く、長く流されるのである。音楽と演奏、脚本と演技、その素晴らしさが見事に融合し、目頭が熱くなるのを覚えた。

劇中では、「第9」を初め、いくつかの交響曲、そして管弦楽曲も流される。こちらは、CDが再生される形での演奏であり、これも効果抜群だ。しかし、3台のピアノの生演奏がもたらす感動のほうが、はるかに深い。この選曲は、演出家の白井晃氏であるということである。ベートーヴェンの多くの楽曲を知り抜いたものであり、役者に付ける演技の演出(これが、きめ細かい丁寧なものだったそうで、役者の皆さんが絶賛していた)と合わせ、この劇を最上級のものにしていたと評することができるだろう。

劇中、ベートーヴェンは、ナポレオンがヒーローとして登場した後、皇帝になって人々を失望させ、やがて没落したことに触れ、「時の政権などというものは、移ろう。しかし、音楽の偉大さは、永遠のものだ」と力強く語る。
この劇をみて、現実のベートーヴェンの人生は、不器用で、人々の顰蹙を買うようなところも多々あったかも知れないが、200年後のこんにち、そんなことは何も問題ではない。劇中で演奏された、多くのピアノソナタからもたらされた、多くの感動!劇の最後が「第9」の合唱で締めくくられたのを確認し、「音楽は、永遠」ということが、心の底から腑に落ちた。満足度100%の、最高の観劇体験であった。


そして、
③山田美保子氏の劇評も

安全な枠から飛び出して…大きな大きな挑戦

Photo

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